○山武郡市広域行政組合消防本部火災原因損害調査規程
平成19年4月25日訓令第9号
山武郡市広域行政組合消防本部火災原因損害調査規程
山武郡市広域行政組合消防本部火災原因損害調査規程(昭和56年山武郡市広域行政組合訓令第5号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則
第1節 通則(第1条―第3条)
第2節 火災の基準(第4条―第7条)
第3節 調査の体制(第8条―第14条)
第4節 調査上の心構え(第15条―第22条)
第5節 調査計画(第23条・第24条)
第2章 原因調査
第1節 通則(第25条・第26条)
第2節 原因調査(第27条・第28条)
第3節 現場保存(第29条―第32条)
第4節 鎮火後の調査(第33条―第36条)
第5節 質問(第37条―第39条)
第6節 児童に対する取扱い(第40条―第46条)
第7節 原因の決定(第47条―第50条)
第3章 損害調査(第51条―第54条)
第4章 調査資料
第1節 照会及び資料提出(第55条―第58条)
第2節 資料の保全(第59条・第60条)
第3節 鑑定等(第61条)
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 通則(第62条―第64条)
第2節 火災調査報告書(第65条・第66条)
第3節 報告(第67条―第70条)
第6章 り災の証明(第71条―第73条)
第7章 震災時の火災調査(第74条―第78条)
第8章 文書の処理(第79条)
第9章 雑則(第80条―第82条)
附則
第1章 総則
第1節 通則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)に関し、必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 調査は、全ての火災の原因(以下「原因」という。)並びに火災及び消火のために受けた損害(以下「損害」という。)を明らかにして、火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
(調査の区分)
第3条 調査は、原因調査及び損害調査に区分する。
2 原因調査は、次に掲げる事項について究明するために行うものとする。
(1) 出火原因 出火箇所、発火源、経過及び着火物
(2) 火災の性状 煙の流動状況、延焼経路及び延焼拡大要因
(3) 火災初期の対応 発見状況、通報状況及び消火状況
(4) 避難方法 火災現場(以下「現場」という。)における避難者、要救助者の行動及び救助状況
(5) 消防用設備 設置状況及び使用状況
(6) その他消防行政上必要事項 立地条件及び水利状況等
3 損害調査は、次に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。
(1) 焼き損害 火災によって焼けた物及び熱によって破損した物等の損害
(2) 消火損害 消火活動によって受けた水損、破損、汚損等の損害
(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた前各号以外の損害
(4) その他の損害 煙害等による損害
(5) 死傷者 火災に起因して生じた死者及び負傷者
一部改正〔平成24年訓令5号〕
第2節 火災の基準
(火災の定義)
第4条 この訓令において火災とは、人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要のある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(火災件数)
第5条 火災の件数は、その程度いかんにかかわらず、原則として1つの出火点から拡大したもので、出火から鎮火に至るまでを1件とする。
(火災の種別)
第6条 火災の種別は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによる。
(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災をいう。
(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災をいう。
(3) 車両火災 次に区分する自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。
(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。
(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災をいう。
(6) その他の火災 前各号に掲げる火災以外の火災をいう。
2 火災が前項各号に掲げる2以上の種別に該当するときは、焼き損害額の大なるものの種別による。ただし、その態様により焼き損害額が大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。
3 爆発損害のみの火災の種別は、前各項の規定に準じてその種別を決定する。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(焼損程度の区分)
第7条 焼損の程度は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによる。
(1) 全焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の70パーセント以上のもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加えて再使用できないものをいう。
(2) 半焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント以上のもので全焼に該当しないものをいう。
(3) 部分焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント未満のものでぼやに該当しないものをいう。
(4) ぼや 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり焼損床面積が1平方メートル未満のもの、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり焼損表面積が1平方メートル未満のもの、又は収容物のみ焼損したものをいう。
第3節 調査の体制
(調査の主体)
第8条 調査の主体は消防長とする。ただし、火災の規模、種別等により消防署長(以下「署長」という。)が調査を行うものとする。
2 消防長又は署長は、消防職員に調査を行わせることができる。
3 消防長は、署長に対し調査遂行上必要な指示を与えるものとする。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
(調査の体制の確立)
第9条 消防長及び署長(以下「消防長等」という。)は、調査を行う必要な人員及び機材を整備して、調査の体制を確立しておかなければならない。
(調査員の資格)
一部改正〔平成22年訓令4号〕
(火災調査アドバイザーの認定)
第10条の2 消防長は、調査員の火災調査能力の向上を図るため、調査員のうちから火災調査の知識、技術及び経験を有する者を火災調査アドバイザー(以下「アドバイザー」という。)として認定するものとする。
2 アドバイザーは、調査員に対し火災調査に関する指導、助言等を行うものとする。
追加〔令和3年訓令2号〕
(調査本部の設置)
第11条 消防長は、消防行政上特に必要があると認めた火災については、調査本部を設置し調査するものとする。
2 現場に指揮本部が設置されている場合は調査本部を同一場所に設けることとし、互いに緊密な連絡のもとに運営しなければならない。
(応援の要請)
第12条 消防長等は、調査のため必要があると認めるときは、調査員の応援を要請することができる。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
(調査員の派遣等)
第13条 消防長等は、前条に基づく要請があったときは、火災の実態その他の事情を考慮し、調査員及び調査器材等の派遣を命じ、調査に協力させるものとする。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
(調査員の特命出場)
第14条 消防長等は、前条の規定にかかわらず、調査のため必要があると認めるときは、調査員を現場等に出動させ調査等を支援させることができる。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
第4節 調査上の心構え
(常時の心得)
第15条 調査員は、常に火災の現象、関係法令、社会の動向その他調査に必要な知識を修得し、調査技術を研究し調査能力の向上に努めなければならない。
(相互協力)
第16条 調査員は、相互に連絡協調を図り、調査の円滑を期すとともに原因の究明に当たっては綿密詳細に行わなければならない。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(法令の遵守)
第17条 調査員は、法その他関係法令を遵守し、個人の自由及び権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らしてはならない。
(民事不介入)
第18条 調査員は、調査事務の執行に際し、法第2条第4項で定める所有者、管理者又は占有者(以下「関係者」という。)の民事的紛争に関与してはならない。
(警察機関等との協力)
第19条 調査員は、警察機関その他関係機関(以下「警察機関等」という。)と緊密な連絡を保ち、相互に協力して調査にあたらなければならない。
(接遇)
第20条 調査員は法第32条第1項の規定により関係のある者(以下「関係のある者」という。)に接するときは親切を旨とし、質問は時機を失することなく真実を聴取するように努めなければならない。
(関係のある者の承諾)
第21条 調査員は、調査をするときは原則として関係のある者の承諾を得て行うものとする。
(調査員の行う火災調査)
第22条 火災調査は、原因及び損害の実体を的確に判定するため必要な調査であり、犯罪捜査を行うものでないことに留意しなければならない。
第5節 調査計画
(調査)
第23条 消防長等は、法第31条、第32条第1項、第33条、第34条第1項及び第35条の2第1項に規定する調査、質問及び立入検査を調査員に行わせることができるものとする。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(調査班の編成)
第24条 消防長等は、火災規模に応じて調査員で構成する調査班を編成し、そのうちから調査指揮者並びに実況見分者及び出火原因判定者を指名するものとする。この場合において、それぞれ兼任できるものとする。
2 前項の調査指揮者は、消防司令補以上の階級にある者とする。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
第2章 原因調査
第1節 通則
(調査の原則)
第25条 調査は、常に事実の確認を主眼として、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断により事実の究明に努めなければならない。
2 調査員は、火災の状況を観察し必要な情報及び調査資料の収集に努め、特に物的調査(実況見分)と人的調査(関係者に対する質問)を併用し、その真実を究明しなければならない。ただし、原因の判定又はこれを立証するに当たっては、物的証拠によることを原則とし、人的証拠にあってはこれを裏付けるようにしなければならない。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(調査の時期)
第26条 調査は、火災の覚知と同時に着手し、火災時及び鎮火後にわたって行わなければならない。
第2節 原因調査
(出火出動時等の見分)
第27条 調査員及び消防隊員(救急隊員を含む。以下同じ。)は、出動途上、現場到着時及びその後の状況を十分見分しておかなければならない。
2 調査員又は消防隊員は、前項に定める見分を行ったときは、必要に応じ出火出動時における見分調書(
別記第1号様式)を作成するものとする。
(聞き込み調査)
第28条 調査員及び消防隊員は、現場その他の場所において火災の早期発見者その他火災の関係者に聞き込み調査を行い、必要な情報の収集に努め、必要に応じ聞き込み状況調書(
別記第2号様式)を作成しなければならない。
第3節 現場保存
(消防活動中の現場保存)
第29条 消防隊員は、出火場所付近に細心の注意を払い迅速な消火を心がけ、出火前の状態が推測できるよう原状の保存に努めなければならない。
2 消防隊員は、消防活動のためやむを得ず出火場所付近の物件を移動又は破壊しようとするときは、原状が分かるように必要な措置をとらなければならない。
(消防活動後の現場保存)
第30条 消防長等は、次に掲げるところにより火災鎮火後の現場を保存しなければならない。ただし、警察機関等によって現場保存がなされている場合はこの限りでない。
(1) 現場保存区域は、警察機関と協議して決定すること。
(2) 現場保存区域は、必要最小限度にとどめること。
(3) 現場保存区域は、縄張り、その他の方法で表示すること。
(4) 現場保存区域は、必要と認める者のほかみだりに出入りさせてはならない。
(5) 現場保存区域は、調査の進行に伴い順次縮小し解除するものとする。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(原状の変更)
第31条 調査員は、現場保存を行う以前にやむを得ず原状の変更をするときは、写真、見取図、記録その他の方法により、原状を明らかにするような処置を講じなければならない。
(死傷者の取扱い)
第32条 消防隊員は、現場において死傷者を発見したときは、速やかに現場最高指揮者に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた現場最高指揮者は、警察機関等に通報するとともに必要な措置を講じなければならない。
第4節 鎮火後の調査
(実況見分の原則)
第33条 調査員は、現場その他関係ある場所に立ち入って詳細に見分し、証拠資料の発見収集に努めなければならない。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
(実況見分)
第34条 調査員は、全ての火災に対しその実況を綿密詳細に見分しなければならない。
2 調査員は、前項の実況見分を行うときは努めて関係のある者の立会いを得て行わなければならない。
3 調査員は、第1項に定める実況見分を行ったときは、実況見分調書(
別記第3号様式)を作成するものとする。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
(鑑識)
第35条 調査員は、必要に応じ、出火に起因したと思われる物件の鑑識を行わなければならない。
2 調査員は、前項に定める鑑識を行った場合、必要に応じ鑑識見分調書(
別記第4号様式)を作成するものとする。
(図面及び写真)
第36条 調査員は、実況見分の内容を明確にするために、必要に応じ図面及び写真により記録しなければならない。
2 調査員は、前項に定める図面記録を行ったときは、現場図面(
別記第5号様式)を作成するものとする。
3 調査員は、第1項に定める写真記録を行ったときは、記録写真(
別記第6号様式)を作成するものとする。
第5節 質問
(質問)
第37条 調査員は、原因究明及び被害状況の把握のため必要があるときは、関係のある者に対し質問を行い、事実の確認に努めなければならない。
2 警察官に逮捕された放火又は失火の犯罪の被疑者に対し質問するときは、所轄の警察署長の承諾を得て行い、捜査に支障を及ぼさないように留意しなければならない。
3 前項の規定による質問又は証拠物件の調査をするときは、質問・証拠物件調査要請書(
別記第7号様式)によりあらかじめ承諾を得るものとする。
4 調査員は前各項の質問を行ったときは、質問調書(
別記第8号様式)を作成するものとする。
5 調査員は、被質問者の供述を録取したときは、その内容を被質問者に閲覧又は読み聞かせ、誤りのないことを確認させたのち供述者の署名を求めるものとする。
一部改正〔平成24年訓令5号・26年6号〕
(任意供述の確保)
第38条 調査員は、質問を行うときは強制的手段を避け、場所及び時間等を考慮し、関係のある者から任意の供述を得るよう努め、みだりにその供述を誘導してはならない。
(伝聞の排除)
第39条 調査員は、伝聞の供述を排除し、事実の供述を得るよう努めなければならない。
第6節 児童に対する取扱い
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(準拠)
第40条 児童に関する調査は、この節の規定によるほか、一般の例によってこれを行うものとする。
2 前項の児童とは、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第4条に規定する満18歳に満たない者をいう。
(調査員の心得)
第41条 調査員は児童が関係する調査に当たっては、児童の特性をよく理解し、言動に注意しその心情を傷つけないように努めなければならない。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(保護者等の立会い)
第42条 調査員は、児童に質問し又は実況見分の立会人とする場合は、保護者、教師、保護司等の立会いのもとにおいて行わなければならない。
(特例)
第43条 調査員は、調査のため特に必要があると認める場合において当該児童の年齢、心情、その他諸般の事情を考慮して支障がないと認めるときは、他の法令に抵触しない限りにおいて前条によらないことができる。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(関係機関との連絡)
第44条 調査員は、児童に関する調査を行うに当たっては、警察署、児童相談所、学校その他関係機関との連絡を密にして行わなければならない。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(氏名等の公表の禁止)
第45条 児童の放火又は失火による火災について、報道機関等に発表する場合は、氏名、年齢、住所等本人を推知できるような情報を漏らしてはならない。
(心神そう失者等の準用)
第46条 心神そう失者、心神耗弱者及びろうあ者等の関係する調査は、この節の規定を準用する。
第7節 原因の決定
(原因の決定)
第47条 調査員は、第3条第2項に掲げる事項を認定し、出火出動時における見分調書、聞き込み状況調書、実況見分調書、質問調書及び実験データその他関係資料を総合的に検討して、科学的かつ合理的に火災原因の決定にあたらなければならない。
(火災原因判定書及び略式火災原因判定書)
第48条 調査員は、前条に定める火災原因を決定したときは、火災原因判定書(別記第9号様式(その1))及び火災調査書(
別記第10号様式)を作成するものとする。
2 原因決定の結論と経過を系統的かつ明確に記載し、それぞれの事実を立証すること。
3 火災原因の記載にとどまらず、火災の拡大状況や消防隊の活動等消防行政上必要な事項についても記載するものとする。
4 第1項の火災原因判定書の作成者は、原則として調査を指揮した上位の者が作成するものとする。
5 第1項の規定にかかわらず、死者又は負傷者がなく、かつ、出火原因が不明でなく、消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31号)及び製造物責任法(平成6年法律第85号)との関連性がないと判断されるものについては、略式火災原因判定書(別記第9号様式(その2))を用いることができるものとする。
一部改正〔平成23年訓令5号・30年2号〕
(原因の区分)
第49条 火災原因の認定の区分は次の各号に掲げる区分に応じて、当該各号に定めるところによる。
(1) 断定 実況見分調書等の調査書類及び収集した資料を総合することにより、全く疑う余地がなく極めて具体的かつ科学的にその原因が決定され、少しの推理も必要としないものをいう。
(2) 判定 実況見分調書等の調査書類及び収集した資料のみでは具体的かつ科学的にその原因を断定することはできないが、多少の推理を加えることにより、疑う余地を残さないものをいう。
(3) 推定 実況見分調書等の調査書類及び収集した資料によっては、その原因を直接判定することはできないが、当該資料を基礎として専門的立場から多少の推理を加えることにより、合理的にその原因を推定できるものをいう。
(4) 不明 原因を決定するに足りる内容の実況見分調書等の調査書類及び収集した資料が極めて少なく、これに推理を加えてもその原因を合理的に推定できないものをいう。
(防火管理等調査書)
第50条 調査員は、火災原因判定書に加えて、防火管理等調査書(
別記第11号様式)を作成するものとする。
2 防火管理等調査書は、消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第1に掲げる建物火災について作成するものとする。ただし、建物火災以外であっても必要に応じ作成するものとする。
3 防火管理等調査書の作成に当たっては、現場における見分及び関係者の供述、通常の防火管理体制を示す台帳等を参考にするものとする。
4 防火管理等調査書に、必要に応じ、図面、写真等を添付するものとする。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
第3章 損害調査
(り災物件の調査)
第51条 調査員は、現場その他関係のある場所に立ち入って、火災により焼損、破損、水損及び汚損した物等(以下「り災物件」という。)を調査し、正確な損害の把握に努めなければならない。
(り災物件申告書)
第52条 消防長等は、調査のため必要があると認めるときは、法第34条第1項の規定により、り災者その他関係のある者に、り災物件申告書(
別記第12号様式)の提出を求めるものとする。
2 前項のり災物件申告書の提出があったときは、届出内容を審査し受理するものとする。
(損害額の決定)
第53条 調査員は、調査により把握したり災物件及びり災物件申告書を総合的に検討し、損害額を決定しなければならない。
2 り災物件の損害額は、り災した時点における時価又は原価により算出する。
3 り災物件申告書には、損害査定表(
別記第13号様式)のうちから該当するものを添付するものとする。
(死傷者の調査)
第54条 調査員は、火災に起因して死傷者が発生したときは、その状況を調査し死者の調査表(
別記第14号様式)及び負傷者の調査表(
別記第15号様式)を作成しなければならない。
2 調査員は、死者の見分を警察機関等で実施した場合、必要に応じ実況見分調書を作成しなければならない。
第4章 調査資料
第1節 照会及び資料提出
(官公署への照会)
第55条 消防長は、調査のため必要があると認めるときは、法第32条第2項の規定により官公署に対して必要な情報を求めることができる。
2 前項により情報を求めるときは、火災調査事項照会書(
別記第16号様式)によるものとする。
(資料の提出)
第56条 消防長等は、調査のため必要があると認めるときは、できる限り関係のある者に対して資料の任意提出を求めるものとする。
(資料提出命令)
第57条 消防長等は、調査のため特に必要があると認めるときは、法第34条第1項の規定により関係者に対し資料の提出を命ずることができる。
2 前項の規定により資料提出を命ずるときは、資料提出命令書(
別記第17号様式)によるものとする。
(所有権の確認)
第58条 消防長等は、前2条の規定により資料の提出を求め又は命じたときは、調査資料提出書(
別記第18号様式)によって所有権放棄の有無を確認しておかなければならない。
第2節 資料の保全
(資料の保管)
第59条 消防長は、資料の保管にあっては、資料の証拠価値を毀損しないよう細心の注意を払い、慎重に保管しなければならない。
一部改正〔令和3年訓令2号〕
(保管品の管理及び処分)
第60条 消防長は、資料を保管する場合、資料保管台帳(
別記第19号様式)に必要事項を記載し、当該資料に保管票(
別記第20号様式)を付して調査が終了するまで保管しなければならない。
2 資料提出者が資料の返還を求めるときは、調査終了後、資料返還書(
別記第21号様式)により返還するものとする。
3 資料提出者が資料の所有権を放棄したときは、調査終了後適宜処分するものとする。
第3節 鑑定等
(鑑定等の依頼)
第61条 消防長は、調査のため特に必要があると認めるときは、調査資料の鑑定及び実験を、学識経験者又は関係官公署等に依頼することができる。
2 前項の規定により鑑定を依頼する場合は、鑑定依頼書(
別記第22号様式)により依頼するものとする。
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 通則
(書類作成上の原則)
第62条 調査書類の作成に当たっては、その事実をありのまま明瞭に表し、誇張を避け、分かりやすく、やさしい文章で表現するよう努めなければならない。
一部改正〔平成24年訓令5号〕
(署名押印)
第63条 調査書類には、原則として作成年月日、作成者の所属、階級、氏名を記載して押印しなければならない。ただし、関係者から提出された書類についてはこの限りでない。
(文字の加除等)
第64条 調査書類の文字の削除又は訂正は、次の方法によるものとする。
(1) 文字を削るときは、削るべき文字に横線2本を引き押印し、その右欄外に「削何字」と記入するものとする。
(2) 文字を加えるときは、加入箇所を明白に示し、行の上側に加えるべき文字を記入して押印し、その右欄外に「加何文字」と記入するものとする。
一部改正〔平成26年訓令6号〕
第2節 火災調査報告書
(火災原因損害調査報告書)
第65条 調査員は、第48条に定める火災原因判定書を作成したときは火災原因損害調査報告書(
別記第23号様式)に必要事項を記載し、次に掲げる順に書類を添付し整理編冊しなければならない。
(1) 火災調査書
(2) 火災原因判定書
(3) 出火出動時における見分調書
(4) 実況見分調書
(5) 鑑識見分調書
(6) 質問調書
(7) 聞き込み状況調書
(8) 防火管理等調査書
(9) 死者の調査表
(10) 負傷者の調査表
(11) 案内図
(12) り災物件申告書
(13) 損害査定表
(14) 現場図面
(15) 記録写真
2 前項に掲げる書類に加え、その他必要な書類がある場合は、適宜添付するものとする。
3 消防長等は、第1項の規定にかかわらず、火災の種別、規模により必要がないと認めるときは、調査書類の一部を省略することができる。
一部改正〔平成23年訓令5号・26年6号・令和3年2号〕
(火災原因損害調査報告書の略式処理)
第66条 調査員は、第48条第5項に規定する略式火災原因判定書(別記第9号様式(その2))を作成したときは火災原因損害調査報告書(
別記第23号様式)に必要事項を記載し、次の各号に掲げる順に書類を添付し整理編冊しなければならない。
(1) 略式火災原因判定書
(2) 案内図
(3) り災物件申告書
(4) 現場図面
(5) 記録写真
2 前条第2項及び第3項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
追加〔平成23年訓令5号〕、一部改正〔平成26年訓令6号・30年2号・令和3年2号〕
第3節 報告
(防火管理等の調査速報)
第67条 消防長は、特に必要があると認めるときは、署長に第50条に規定する防火管理等調査書に掲げる事項の報告を命ずることができる。
2 署長は、前項の命令を受けたときは、速やかに調査結果を報告しなければならない。
一部改正〔平成23年訓令5号〕
(消防長への火災速報)
第68条 調査員は、火災現場活動終了後必要に応じ火災概要報告書(
別記第24号様式)を遅滞なく作成し、消防長へ報告しなければならない。
一部改正〔平成23年訓令5号〕
(火災報告)
第69条 消防長は、火災報告取扱要領(平成6年4月21日消防災第100号)に基づき県の定める期日までに県へ報告しなければならない。
一部改正〔平成23年訓令5号・27年2号・令和3年2号〕
(報告書の報告期限)
第70条 第65条の報告は、原則として、火災を覚知した日から起算して60日以内に報告しなければならない。ただし、第66条の報告にあっては30日以内とする。
2 前項の規定する期限内に報告することができない場合は、あらかじめ消防長にその理由を電話又は口頭で報告しなければならない。
一部改正〔平成23年訓令5号・30年2号〕
第6章 り災の証明
(り災の証明)
第71条 消防長は、火災のり災者からり災証明願(
別記第27号様式。以下「交付願」という。)により願い出があったときは、り災の証明を行うことができる。
2 前項の証明は、当該火災の調査の結果を確認し得たものについて交付するものとする。
3 震災時、通常の事務執行時と異なる特別な状況下で行うり災証明の交付については、別に定めるものとする。
一部改正〔平成23年訓令5号・26年6号・令和3年2号〕
(り災証明受付簿)
第72条 消防長は、前条のり災の証明を行うときは、り災証明受付簿(
別記第28号様式)に必要事項を記入し、交付の状況を明確にしておかなければならない。
一部改正〔平成23年訓令5号・令和3年2号〕
(り災の証明処理)
第73条 第71条の交付願のあったときは、必要に応じり災証明書(
別記第29号様式)を作成し、願い出者に交付するものとする。
2 り災証明書は、原則としてり災物件申告者に交付するものとする。ただし、関係者については、代理権授与通知書(
別記第30号様式)により交付できるものとする。
一部改正〔平成23年訓令5号・令和3年2号〕
第7章 震災時の火災調査
追加〔平成26年訓令6号〕
(震災に伴う火災の調査の原則)
第74条 消防長は、調査本部を設置する間に発生した火災の調査に対し、組織的な執行体制の確立に努めるものとする。
2 震災に伴う火災の調査活動は、災害活動がおおむね終息するまでは情報収集及び火災状況の記録を主眼に行い、災害活動終息後はり災証明書交付のための損害状況調査を優先して実施するものとする。
3 震災に伴う火災の調査活動については、延焼拡大状況の調査等将来の行政施策等に反映させるための重点的な調査についても時機を失することなく実施するものとする。
追加〔平成26年訓令6号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
(情報の早期収集)
第75条 消防長及び署長は、地震発生直後から災害状況の記録及び調査のための情報収集に努めなければならない。
追加〔平成26年訓令6号〕
(震災に伴う火災の指定)
第76条 消防長は、地震発生直後からの火災状況を勘案し、期間及び地域を限定して「震災に伴う火災」を指定するものとする。
2 消防長又は署長は、震災に伴う火災の指定を受けた火災の調査については、延焼拡大状況及び損害状況調査等の記録に重点をおいた震災に伴う火災の調査活動を実施するものとする。
3 前項の震災に伴う火災の火災調査要領については、別に定めるものとする。
追加〔平成26年訓令6号〕
(調査員等の確保)
第77条 消防長は、震災後の行政対応等を考慮し、震災に伴う火災の調査活動に必要な調査員及び調査資機材の確保に配慮するものとする。
追加〔平成26年訓令6号〕
(震災に伴う火災によるり災証明書の交付)
第78条 消防長は、震災に伴う火災における火災被害の調査結果に基づき、迅速なり災証明書の交付に努めるものとする。
2 震災に伴う火災によるり災証明書の交付要領は、別に定めるものとする。
追加〔平成26年訓令6号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第8章 文書の処理
一部改正〔平成26年訓令6号〕
(保存期間)
一部改正〔平成23年訓令5号・26年6号〕
第9章 雑則
一部改正〔平成26年訓令6号〕
(照会に関する回答)
第80条 消防長は、火災原因その他調査事項について警察機関等及び関係者から照会があったときは、その内容、目的その他必要な理由について審査し、必要事項について回答することができる。
一部改正〔平成23年訓令5号・26年6号〕
(調査研究会及び研修会)
第81条 消防長は、必要に応じ火災調査研究会及び研修会を開くものとする。
一部改正〔平成23年訓令5号・26年6号〕
(補則)
第82条 この訓令の実施に関して必要な事項は、消防長が別に定める。
一部改正〔平成23年訓令5号・26年6号〕
附 則
この訓令は、平成19年5月1日から施行する。
附 則(平成19年訓令第15号)
この訓令は、平成20年1月1日から施行する。
附 則(平成20年訓令第5号)
この訓令は、公示の日から施行する。
附 則(平成21年訓令第5号)
この訓令は、平成22年1月1日から施行する。
附 則(平成22年訓令第4号)
この訓令は、公示の日から施行する。
附 則(平成23年訓令第5号)
この訓令は、平成24年1月1日から施行する。
附 則(平成24年訓令第5号)
この訓令は、平成25年1月1日から施行する。ただし、別記第23号様式及び別記第25号様式の改正規定は、同年1月31日から施行する。
附 則(平成26年7月28日訓令第6号)
この訓令は、公示の日から施行する。
附 則(平成27年3月18日訓令第2号)
この訓令は、平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成28年3月23日訓令第1号)
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
附 則(平成30年3月12日訓令第2号)
この訓令は、平成30年4月1日から施行する。
附 則(令和3年3月10日訓令第2号)
この訓令は、令和3年4月1日から施行する。
別記
追加〔平成30年訓令2号〕
第1号様式(第27条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第2号様式(第28条)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第3号様式(第34条第3項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第4号様式(第35条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第5号様式(第36条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第6号様式(第36条第3項)
第7号様式(第37条第3項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第8号様式(第37条第4項)
全部改正〔令和3年訓令2号〕
第9号様式(第48条)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第10号様式(第48条第1項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第11号様式(第50条第1項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第12号様式(第52条第1項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第13号様式(第53条第3項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第14号様式(第54条第1項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第15号様式(第54条第1項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第16号様式(第55条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第17号様式(第57条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第18号様式(第58条)
一部改正〔令和3年訓令2号〕
第19号様式(第60条第1項)
第20号様式(第60条第1項)
第21号様式(第60条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第22号様式(第61条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第23号様式(第65条第1項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第24号様式(第68条)
全部改正〔平成30年訓令2号〕
第25号様式(第69条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕
第26号様式(第69条第2項)
一部改正〔平成23年訓令5号・令和3年2号〕
第27号様式(第71条第1項)
追加〔令和3年訓令2号〕
第28号様式(第72条)
一部改正〔平成23年訓令5号・令和3年2号〕
第29号様式(第73条第1項)
一部改正〔平成23年訓令5号・令和3年2号〕
第30号様式(第73条第2項)
全部改正〔平成30年訓令2号〕、一部改正〔令和3年訓令2号〕